栗野的視点(No.868) 2025年8月14日
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岡山の難読地名〜「四御神」って何と読む
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難読地名というのは全国どこにもある。
例えば福岡県の直方市。福岡の人間にとっては当たり前に読める地名だろうが、私が初めて福岡に来た時、この字を読めなかった。
「のうがた」という地名は耳から聞いて分かっていたが「直方」という文字を見ても、そう読めなかった。
「なおがた」と読んで笑われたが、他県人、特に九州外の人間で「直方=のうがた」と読める人がどれぐらいいるだろうか。
「美作」という文字もそうだ。歴史に詳しい人なら、この字を見て「みまさか」と読めるだろうが、そうでなければ「びさく」と読むのがせいぜいではないだろうか。
青森の「八戸」もそうだろう。最近は「はちのへ」という名前はよくニュースなどでも取り上げられるから読める人はそこそこいるかもしれないが。
しのごしん? しのごぜ?
では、この字が読めるだろうか。
「四御神」
この地名文字をはじめて目にしたのは4、5年かもう少し前になるか、何度目にし、聞いても覚えられなかった。
常日頃目にする文字でも呼び方でもないから、聞いてもまたしても忘れる。
忘れたからといってそう困る話ではないが、何かの折、人に説明する時「ほら、あのなんとかという読み難い地名、たしか”神”という字が付いたと思うが、ほらっ、知らない?」などと訳の分からないことを言って相手を困らせていた。
「四御神」と書いて「しのごぜ」と読む。
どうしてこれで「しのごぜ」と読めるのか、という疑問がまず最初。
続いてこの地名の由来が気になった。
というのも地名には必ず由来があるからで、地名を見ればその土地の成り立ちが大体分かる。
つまり地名はその土地の履歴書みたいなものなのだ。
ところが近年、区画整理などで古い地名、大字、小字などで呼ばれていた「字(あざ)」が廃止され「〇丁目△番地」に変えられていき、土地の歴史、由来が分からなくなってきた。
土地の履歴を知ることはハザードマップを作る上でも重要なのだが、そういうことは一考だにされず作られているのが気になる。
それはさておき「四御神」という文字が気になった。
普通に読めば「しごしん」か「しのごしん」だ。
それを「しのごぜ」と読ませるから不思議に思わない方がおかしい。
そこでその地名の辺りを地図で見てみると、大神神社がその中心辺りにあった。大神神社とかいて「おおがみじんじゃ」ではなく「おおがじんじゃ」と読むらしい。
大神神社と四御神。どちらにも「神」の字が付くから関係ありそうだし、四御神という地名の場所に大神神社があるのだから、大神神社に行けば何か分かるかも、と考え行ってみた。
(2)に続く
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